研修会には受講生として参加したことがあるから、何を準備すればいいかはなんとなくわかる。でも、一体どうやって準備するのがいいんだ??と戸惑うことは少なくないはず。
私も先日、1時間の研修会をするのに一から資料を作成しました。その時のやり方を紹介します。
本番に必要なものは以下の3つです。
- スライド:プロジェクタで投影します
- トークスクリプト:いわゆる「台本」
- 配布資料:スライドの内容を補足する他、ワークの時間の手順書が必要
研修の流れを作るのに使用した、メモ書きの手法
まず、研修の大まかな流れから作っていきました。その時に参考にしたのが、『ゼロ秒思考』(赤羽雄二 著)という本のメモ書きの手法です。
メモの書き方を大まかに説明すると次の通りです。
- A4用紙を横置きにする
- 左上にタイトルを書く
- 1行を20~30文字、1枚あたり4~6行のメモを書く
- 書いたメモの内容をさらに深掘りするメモを書く
この本の第4章に「メモから企画書をまとめる」という節があって、それを応用して研修のスライドと配布資料、トークスクリプトを作成していきます。
メモ書きで、研修の構成を作る
まず、『ゼロ秒思考』のメモ書きを使って、研修の構成を練りました。
この時の研修のテーマは、新しく導入されたソフトウェアの使い方。なので、1枚目のメモのタイトルは「○○(新しいソフトウェア)の使い方」としました。
次に、こんなことを入れたらいいかなという内容をとりあえずメモ。やるかやらないかを考えることはせず、まずは書きだしました。
その次に、メモに書いたアイディアをタイトルにして、新しいメモを書きます。ここでもとりあえずやるかどうかは別にして、アイディア出しのみ。
さらにその内容をタイトルにして次のメモを…とどんどん詳しい内容を書いていきました。
一通り書き終わったなと思ったら、今度はそれを並べて内容を検討します。メモに書いた内容を研修に入れるのか、順番をどうするかをメモを入れ替えながら考えました。さらに思いついた内容や図があればどんどんメモに追記。
本の目次と要約のようなメモが完成しました。
メモを見ながら、スライドとトークスクリプトを作成
次に、完成したメモをもとに、スライドとトークスクリプト(台本)を作っていきます。
「何をどんな順番で伝えるか」の構成はもう完成しています。次は「どう伝えるか」の部分ですね。
スライドとトークスクリプトを同時進行で作って、図が必要な場所では図を作っていきました。
スライドを作る時に便利なのは、メモの時点ですでに構造化できているところです。大まかな内容のメモ→詳しい内容のメモとなっているため、タイトル、目次、セクションタイトル、説明する内容については悩むことがほとんどありません。
スライドを1枚作ったら、それを見ながらしゃべる内容を考えて入力しました。ここも、メモに書いてある内容に詳しい説明を入れたたりしゃべる時の表現に近くしたりするだけです。
配布資料はスライドと別に作成
研修の配布資料として、スライドをそのまま2in1で印刷することがよくあります。私は個人的には好きではないため、配布資料は配布資料で別に作成しました。文字にすれば数行で済むのに、スライドで1枚使っている内容だと紙の半分が必要なのってもったいない!
なので、スライドに入れた内容をベースにしてドキュメントを作成しました。
さらに今回は実習の時間があったため、詳しい手順は配布資料にのみ載せました。(この部分のスライドは、「○○体験」というセクションタイトルのみ)実習中は基本的に手元の資料を見てもらい、私が説明したり質問に答えたりしながら進めていく形です。
この配布資料の内容もメモ書きしてあった部分なので、作成自体はスムーズです。操作説明用に画面のキャプチャ画像を保存して挿入して、が必要なぐらいでしょうか。
全て作成したら内容の見直し
全ての資料が完成したら、一旦印刷して声に出して読んでいきます。
いくらメモ書きであらかじめ書いていたとしても、声に出したらわかりにくいとか、順番を入れ替えたほうがいいとかが必ず出てきます。それに赤ペンでチェックを入れながら確認すると、ついでに研修の練習にもなります。
赤ペンを入れ終わったらまた資料を修正して、印刷して確認を繰り返します。
研修の準備にメモ書きは最適
研修やプレゼンテーションの準備をするときにあらかじめ構成を作ることは以前もやっていましたが、A4用紙に大きくメモ書きをする今回のやり方は、ノート等に書いていくよりも試行錯誤がやりやすかったように思います。用紙を物理的に並べ替えできることで順番や内容の変更が視覚的にわかりやすかったのでしょう。
『ゼロ秒思考』シリーズは今回の他にも全部で3冊発売されています。
メモ書き以外に仕事で役に立つ情報がありそうなので購入してみます。